東京建物、ジェイコム提携 サンライズ・ヴィラ株を一部譲渡

【高齢者の介護・医療ニュース】

 人材サービス会社のジェイコムホールディングス(大阪市)は、同社および同社が出資するファンドで株式の86・6%を保有する介護事業者サンライズ・ヴィラ(神奈川県厚木市)の株式の一部を東京建物(東京都中央区)が出資するファンドに譲渡する。また東京建物との間で高齢者住宅の運営等に関する業務提携契約を締結した。

 保育や人材など多角的サポート

 サンライズ・ヴィラの株式を取得したのは東京建物・ACA投資事業有限責任組合(東京都千代田区)。取得数は1740株で議決権所有割合は32・8%。

 東京建物は、やさしい手やツクイなどの大手在宅介護サービス事業者と業務提携を行い、「グレイプス」ブランドでサービス付き高齢者向け住宅(以下・サ付き住宅)の開設を進めている。
 建物の運営は自らが行い、貸主となって入居者と賃貸借契約を結ぶが、生活相談や見守りなどサービス提供については提携先の介護事業者が行うというスキームを用いている。

 「東京建物として今後、さらにサ付き住宅の開設を進めて行く中で、より介護事業者とのパイプを強化したいという理由から株式取得の申し入れがありました。当社としても介護事業は人材サービス事業と並ぶ大きな事業の柱になるとは考えていますが、すべて当社で高齢者施設を一から開設していくよりも、東京建物が開設した住宅に介護などのサービス提供を行う方が事業の拡大に効率的と判断しました。また介護サービスの提供だけでなく、サ付き住宅に併設される保育園の運営、人材の派遣・紹介など当社グループ全体でサ付き住宅運営をサポートできます」(ジェイコムHD我堂佳世経営管理部長)

 株式取得、及び業務提携開始は8月28日を予定している。

8月19日付でトップ交替へ

 なお、8月19日付けでサンライズ・ヴィラの社長には橋場真太郎取締役が就任する。橋場氏は、ジェイコムHD傘下の事業会社ジェイコムの取締役も兼務。またジェイコムHDの取締役にも就任予定だ。現サンライズ・ヴィラ鈴木輝雄社長は同日付けで顧問に就任する。

 また、サンライズ・ヴィラ関連会社で、サンライズ・ヴィラ同様に昨年10月にジェイコムHD傘下となった給食事業者ジャパンコントラクトフード(東京都千代田区)については、所有株式の全てをACAヘルスケア・戦略1号投資事業有限責任組合に譲渡する。譲渡額は4億2000万円。譲渡は8月28日の予定。



(2014年8月13日号)高齢者住宅新聞