セントケアが介護ロボ 第一段は服薬支援

【高齢者の介護・医療ニュース】

 セントケア・ホールディング(東京都中央区)は車載メーカーのクラリオンさいたま市)と合弁会社「ケアボット」を設立し、介護ロボット事業に乗り出す。10月2日に第1弾商品「服薬支援ロボ」を発表。来年より薬局や高齢者住宅に向け販売していく。

 セントケアは今後さらに深刻化する介護人材不足の課題から介護現場でのロボット活用に注目。2年前より介護ロボ参入へ向けた研究会を立ち上げ、メーカーと共に実用化に向けて開発を進めてきた。自社の運営施設と連携することで、現場の声を反映させたロボットを開発でき、普及促進に効果的だとしている。

 この研究会をきっかけにクラリオンとの共同事業が実現。第2弾以降もクラリオンはじめ各メーカーと介護者を支援するロボットを開発していく。

 ケアボット社長には、セントケアから本谷春洋氏(医療企画本部課長)が就任。今後の商品について「在宅サービスなど専門職の関与が必要な分野に向けて、人の手を支援する商品を開発していく」と述べている。

 このたび完成した「服薬支援ロボ」は介護が必要な人の薬の飲み忘れや誤薬を防ぐもので、設定した時間になると音声と画面表示で知らせ、薬が取り出せるというもの。

 機器には1回分の薬を入れるピルケースが1週間分収納でき、薬剤師や介護者などによる交換を想定。薬の取り出し時間も設定できる。また、服薬状況を把握するため取り出した履歴を残し、USBメモリに最大1ヵ月分の書き出しが可能になっている。

 主な販売先として調剤薬局や高齢者住宅を想定。来年2月発売予定で希望小売価格は12万円(税抜)。初年には3000台の販売を目指す。



(2014年10月15日号)高齢者住宅新聞