団地空室を再生 コミュニティネット、URと共同で

【高齢者の介護・医療ニュース】

 独立行政法人都市再生機構(以下・UR/横浜市)とコミュニティネット(東京都千代田区)は、都内の高島平団地(総居室数8287戸)の団地再生を共同で進め、サービス付き高齢者向け住宅「ゆいま〜る高島平」(同板橋区)を開設した。共同住宅の空室を改修してサ付き住宅にする全国初の「分散型」を実現した。

 「ゆいま〜る高島平」は12月1日開設。UR都市機構の高島平団地に点在する空室をコミュニティネットが住戸単位で20年借り上げ、居室をバリアフリー化・2DKの間取りを1DKに変更するなどサ付き住宅に改修し運営する。

 今回サ付き住宅として登録されたのは、26街区2号棟121戸のうち30戸。11月25日時点で27戸が契約済みで、追加で更に20戸をサ付き住宅として登録する予定。部屋は3タイプあり、広さは42・34平米〜43・51平米。家賃は9万円台。

契約率9割に 「話し合い」奏功

 同住宅では、生活コーディネーターが日中常駐し、安否確認、緊急時の対応に当たるほか、セコムとも緊急時の連携を図る。また、地域の病院、クリニック、介護事業者との連携も図り、保証人を立てなくても契約可能にした。団地内にはスーパー、広場や公園、総合病院などがある。

 高島平団地では、今年1月時点で一部の高齢化率が40%を超えており、板橋区全体の22%を大きく上回る深刻な高齢化が課題となっている。

 コミュニティネットの高橋英與社長は、「2年かけて団地住民や入居希望者と住宅の形を話し合ってきた。その結果が、開所前での契約率90%という数字に表れたと思う」とコメント。

 借り上げ期間満了後、コミュニティネットはサ付き住宅の入居者に対し、引っ越し代を負担するなどし、ゆいま〜るシリーズへの転居をサポートする。



(2014年12月10日号)高齢者住宅新聞