積水化学、ヘルシーサービス買収 高齢者住宅事業強化

【高齢者の介護・医療ニュース】

 積水化学工業大阪市)住宅カンパニー(以下/積水化学)は、千葉県を中心にグループホームや小規模多機能型居宅介護事業所などを運営するヘルシーサービス(千葉市)の全株式を12月15日取得した。今後、介護保険サービス事業や高齢者施設の建築請負事業など、高齢者向け事業を拡大させ、2025年に売上高500億円を目指す。

千葉県中心にGHなど展開

 ヘルシーサービスは1981年設立。現在、千葉県・埼玉県・神奈川県及び宮城県で、「ガーデンコート」のブランドでグループホーム17ヵ所、住宅型有料老人ホーム2ヵ所、小規模多機能9ヵ所のほか、訪問介護・訪問入浴(合計11ヵ所)を運営している。

 2014年3月期の売上高は約20億円。全株式を日本プライベートエクイティ(東京都千代田区)が運営するファンドが保有していたが、積水化学が全株式を譲り受けた。

 積水化学では、2004年に100%子会社のセキスイオアシス(名古屋市)を設立。デイサービス事業などを展開してきた。今回株式を取得したヘルシーサービスはセキスイオアシスの並列会社の立場になる。

 また、今年5月には、蓄電池や太陽光発電システムを備えたサービス付き高齢者向け住宅「進・ハーベストメント」を発売し、高齢者住宅の建築請負事業にも注力する。

新たな提携も今後は視野に

 今回の株式取得は、積水化学が持つハード・ソフトに、ヘルシーサービスの介護事業ノウハウを加えることで、より高齢者向け事業を拡大・加速させていくのが狙い。なお、セキスイオアシスは中京中心に、ヘルシーサービスは首都圏中心に、とエリアごとに明確に棲み分け、統合などは考えていないという。

 「当面は首都圏を中心にした展開になりますが、当社の住宅は全国に約50万棟あり、世帯主の平均年齢は約65歳となっています。こうした点を考え、将来的には全国の主要地域で高齢者向け事業を展開していきます。また、今後も高齢者向け事業を手掛ける企業とのアライアンスなどを強化していく考えです」(積水化学担当者)

 なお、現在の同社の高齢者向け事業の売上高は年約10億円。ほとんどが建築請負によるもの。



(2014年12月17日号)高齢者住宅新聞