最期の迎え方 議論 エイジング・サポート実践研究会

【高齢者の介護・医療ニュース】

 エイジング・サポート実践研究会(東京都北区)は、著書「点滴はもういらない 最期を決める覚悟とタイミング」の出版記念セミナーを3月7日に都内で開催した。

 同書は同研究会の小川利久代表と在宅医療に取り組む医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長、高齢者施設「銀木犀」を運営するシルバーウッドの下河原忠道代表取締役によって記されたもの。医療に管理されるのではなく、自分自身や家族の意思を尊重した「最期」を迎えるためのヒントを提供する。

 当日は三者による講演や同書を出版したヒポ・サイエンス出版の小平慎一氏をコーディネーターとして迎えたパネルディスカッションが行われた。

 佐々木理事長は看取りや在宅医療について講演。「終末期患者にとっては『弱っていく』という大きなベクトルは変わらない。それを知っていればその後の過ごし方も変わってくるだろう。その人の残された時間をどうすれば価値のあるものにできるかを考えてみてほしい」と語った。

 また、下河原代表取締役も「死について考えることは生きることについて考えること。『どう死ぬか』ではなく、『どう生きるか』に着目してほしい」と最期の向き合い方について伝えた。

 更に小川代表は「施設を『終の棲家』にするということ〜いのちを生ききり、次世代へ引き継ぐ」をテーマに講演。特別養護老人ホーム施設長の経験を踏まえ、「『死』は『終わり』ではなく、生きるものの心の中で生き続ける」と述べ、「看取り援助」の在り方について語った。



(2015年3月18日号)高齢者住宅新聞