JICA、日中で意見交換 「互助」構築が共通課題

【高齢者の介護・医療ニュース】

 国際協力機構(JICA)と北京師範大学中国交易研究所(CPRI)は3月7日、都内で「日中養老サービス産業・政策セミナー」を開催し、今後の日中協力・交流の可能性と在り方について検討した。

 当日は「高齢者サービス関連の公益・非営利団体の経営マネジメント」「介護企業の経営・マネジメント」と題した2つのパネルディスカッションが行われた。前半は国際医療福祉大学大学院の高橋紘士教授が、後半は日本女子大学の瀋潔教授がコーディネータを務めた。パネリストには社会福祉法人長岡福祉協会こぶし園の小山剛施設長、(財)さわやか福祉財団の清水肇子常務理事、社会福祉法人全国社会福祉協議会の渋谷篤夫事務局長のほか、介護関連サービスを手掛けるNTTデータやニチイ学館、リエイに加え、中国養老産業連盟下院団体からそれぞれ登壇し、取り組みを説明した。

 シンポジウムで強調されていた話題は高齢者の生活を支える「互助」や「社会との繋がり」。清水常務理事は「互助を仕組みとして位置づけていかなくてはいけない。縦型の繋がりではなく横型の繋がりを構築していくことが課題」と述べた。またニチイ学館の種元崇子取締役は「日本の介護体系をそのまま中国に取り入れることは適切ではない。文化や制度に合わせながら、日本式介護を中国式に変えていかなくてはいけない」とその地域ごとにシステムを構築することの大切さを強調した。

 セミナー終了後には日中の介護関係者が互いに交流を図った。(3月19日号)高齢者住宅新聞