「仕事辞めたい」6割弱 施設職員対象に全老連調査

【高齢者の介護・医療ニュース】

 全国労働組合総連合(全老連・東京都文京区)は、先月末「介護施設で働く労働者のアンケート調査」の中間報告を発表した。約7割が「今の仕事はやりがいがある」と回答する一方で6割弱が、賃金の安さや多忙すぎることなどを理由に「退職をしたいと思うことがある」と回答している。


サービス残業「無し」4割弱


 この調査は昨年11月から今年2月にかけて実施したもので、6369人が回答した。

 回答者のうち、非正規雇用の人に昨年10月の労働時間について尋ねたところ、26・6%が「160時間以上」と回答しており、フルタイム労働者と同程度の長時間勤務をしているケースが少なくないことがうかがえる。また、就業時間前勤務(早出)については、38・6%が「15分〜30分未満行っている」と回答、残業については日勤者で4割が1日30分以上行っており、時間外労働も常態化している。

 ただし、サービス残業については38・9%が「なし」、23・7%が「月に5時間未満」となっており、全労連では「労働組合が職場で機能している」と分析している。残業代が支払われない理由としては「自分から請求していない」が最多。次いで「請求できる雰囲気にない」となっている。


自身の健康面や事故への不安も


 仕事のやりがいについては67・8%が「ある」とし、「無い」の9・7%を大きく上回った。一方、「仕事をやめたいと思うことがあるか」では「いつも思う」が8・7%、「ときどき思う」が48・6%となった。

 仕事を辞めたいと思う理由では「賃金が安い」が最多。以下「仕事が忙しすぎる」「体力が続かない」「達成感・やりがいを感じられない」「夜勤がきつい」の順。

 また、「介護の仕事をする中で感じる不安」では「健康面」「将来の生活」「ケア事故」「現在の生活」「介護制度が不安定」「感染症の不安」「雇用の不安」「医療行為の実施」の順となった。

(2014年5月21日号)高齢者住宅新聞