同一建物減算導入 オペレーター要件は緩和

【高齢者の介護・医療ニュース】

■同一建物減算導入 オペレーター要件は緩和 第111回介護給付費分科会

 第111回社会保障審議会介護給付費分科会が10月22日開催され、訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間サービス)、小規模多機能型居宅介護、複合型サービス、訪問看護の5サービスについて、次期介護報酬改定に関する案が示された。

訪問介護
 20分未満の身体介護の算定要件を見直し、時間帯に関わらず要介護3以上とする案が示された。現状は夜間・深夜・早朝については算定要件が定められていないが、実際の利用者のうち要介護1・2は15%に満たないことなどから、現状に即した形にしていく。
 また、介護予防訪問介護が総合事業に移管されることにより、同一の事業所で訪問介護と総合事業を一体的に運営するケースが考えられるため、総合事業の訪問型サービスのうち何を運営するかによって事業所の人員基準を変えていく。

【24時間サービス】
 利用者がデイサービスを利用した場合に適用される減算を軽減する。現在はデイを利用した日には「その分、24時間サービスを使わない」との理由から報酬が3分の2減算される。しかし実際には、定期巡回の訪問回数や1回当たりの訪問時間はデイ利用の有無で大きな差が見られないことから、減算率を引き下げることが適当と判断した。
 また夜間等のオペレーターの兼務は、現在では「併設事業所」の職員のみに限定されていたが、「同一敷地内または道路を隔てて隣接する同一法人が経営する施設」の職員も可能とする。
 一方で、現在、訪問介護通所介護などに設けられている「集合住宅利用者へサービスを提供する場合の減算」については24時間サービスも新たに対象とする。

【小規模多機能】
 訪問機能を強化する。具体的には訪問担当の常勤従業者を2名以上配置など、一定要件を満たした場合に加算を設ける。この他登録定員を29人に引き上げ、看取り介護加算を新設する。
 また、現行の同一建物減算は廃止し、同一建物居住者に対してサービス提供を行う場合と行わない場合の2種類の基本報酬を設ける、とした。

【複合型サービス】
 訪問看護サービスの利用者が35・7%に留まっていることから、訪問看護を実施している利用者の割合に応じて加算・減算を行う。また小規模多機能同様に、定員を29人とすること、同一建物居住者へのサービス提供の有無で基本報酬を2段階制とする。
 さらに名称の変更も検討する。「どのような内容のサービスなのか具体的にイメージできない、という声は現場からもあがっていた」(厚労省)。新名称案として厚労省は「看護小規模多機能型居宅介護」を示した。

訪問看護
 在宅での中重度者のニーズへの対応強化を目的に、緊急時に訪問看護を行う体制や、ターミナルケア体制などについて一定以上の実績のある事業所に対する加算を新設する。また、病院・診療所からの訪問看護の報酬単価を引き上げる。



(2014年11月5日号)高齢者住宅新聞