認知症 当事者団体が初会合 初期のニーズ話し合い

【高齢者の介護・医療ニュース】

 昨年設立された、認知症の当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」の初会合が3月29日都内で開催され、全国から認知症当事者23名が集まった。認知症の診断前後に必要な出会いについて話し合い、意見をまとめた。

 同団体は昨年10月、国内で初めて認知症当事者が活動していく団体として設立された。日本で開催された、認知症サミット後継イベントでは同団体の共同代表がスピーチしたほか、1月に公表された新オレンジプランへの政策提言など行い、認知症当事者の視点や声を尊重することを求めてきた。

 現在、認知症と早期に診断されても、必要なサービスに繋がるまでに「空白の期間」があり、その間を埋める支援が必要とされている。当日は人やサポートなど診断前後にどのような出会いが必要か、当事者がぞれぞれ意見を述べた。

 認知症になってから出会えてよかったこととして、「医師が『一緒にがんばろう』と励まし、勇気づけてくれた」「悩みながら前を向く当事者と出会い、一歩を踏み出すきっかけになった」「自分を評価され、認められる場と出会えたことで、同じ土俵で関われた」ことなど、サポートする人や、当事者、居場所との出会いが重要だとの意見が多かった。

 同団体の藤田和子共同代表は「たまたまよい出会いに恵まれたのではなく、認知症当事者がみなよいサポートや人に出会える社会にしていかなければならない」と提起した。

 今回の会合は、新オレンジプランに盛り込まれた認知症初期のニーズ把握や生きがい支援について考える内容で、今後当事者から上がった意見を国に提出したり、情報発信したりして政策立案に活かしたい考え。

 当日は、発起人の8名と新たに15名が参加した。



(2015年4月8日号)高齢者住宅新聞