若年性認知症9割職なし 15府県2000人調査

 認知症介護研究・研修大府センター(愛知県大府市)は、65歳未満で発症する若年性認知症の人の9割が自主退職や解雇で仕事を辞めているなど職についていないとする調査結果を発表した。

 同センターは昨年8月と10月に、これまで調査が行われてこなかった愛知や大阪、岡山など15府県の医療機関介護施設などに調査票を送付。2129人の生活状況について担当者らから回答を得た。対象者の年齢層は61歳〜65歳が1208人と最も多く、56歳〜60歳が547人と続く。性別は男性が1200人、女性が922人、無回答が7人だった。

 調査時の就業状況について「就いていない」と回答した人は全体の約9割に上った。「定年前に自己退職した」が46・8%と最も多く、「仕事に就いたことはない」が11・9%、「定年で退職した」が6・3%、「解雇された」が5・6%だった。

 「就いている」と回答したのは全体の7・6%に留まっており、「今まで通りの職場である」3・1%が最も多い回答で、次いで「職場は同じだが、配置転換などがあった」「一旦退職し、別の会社等に再就職した」が続いた。

障害年金受給 4割に留まる

 障害年金に関しては、受給している人は約4割に留まっており、約6割が障害年金を受給していないことがわかった。障害者施設では4分の3以上の人が、居宅介護支援事業所では約半数が受給していたが、介護施設では3割以下という結果だった。年金の種別では障害年金が最も多く、次いで老齢年金、生命保険、損害保険となっている。

 利用しているサービスについては、全体を通してデイサービスの利用が最も多く、居宅介護支援事業所、福祉用具の貸与・販売、介護保険外サービス、訪問介護が続く。介護施設ではグループホームが最も多く、次いで介護老人保健施設だった。

 また、同居している人がいるかどうかの質問については、約8割が「いる」と回答。内訳は、配偶者が64・2%と最も多く、次いで子ども36・8%、親21・4%となっている。



(2015年5月13日号)高齢者住宅新聞