神戸市、カジノ型デイ規制へ 「介護保険の趣旨合わず」

 神戸市はカジノや麻雀などを主な介護予防活動としているデイサービスを規制する方針だ。今月11日、市のホームページで発表した。遊技活動をメインとするデイサービスの規制は、全国でも初という。

 近年カジノや麻雀、ルーレットやパチンコなど娯楽性のある設備を活用して介護予防を図るデイサービスは増加傾向にある。
 今回神戸市が規制したい対象は、常時そういった遊技活動が行われているデイサービス。現在、市内には規制対象となり得るデイサービスはないものの、市には「遊技がメインのデイサービスを開設したい」という相談がきているという。

 「遊技がメインのデイサービスは介護保険の本来の趣旨に則っていないと考えています。デイサービスは在宅生活を送るための機能訓練などを行う場所。機能訓練の一部としてそういった遊技を活用することについては全く問題ありませんが、常時遊技活動を行うことは適正なサービスであるとは考えられません」(保健福祉局高齢福祉部介護指導課担当者)

 ほかにも、遊ぶために貯めるといった疑似通貨の使用は依存性を高める恐れがあることや、賭博・風俗営業を連想させる広告の出現の可能性も規制に踏み切る理由の一つとしてあげている。「『麻雀台やパチンコ台がたくさんあります』など、遊技を全面的に押し出す広告は規制に踏み切りたい」としている。

 市は9月に条例改正案を市議会に提案する方針。遊技活動を予防介護の一部として取り入れているデイサービスが常時遊技活動に取り組む方針に切り替わった場合などは指導を行い、最悪の場合、指定取り消しの可能性もあるという。

 市は今月14日〜30日までパブリックコメントを募集している。



(2015年8月19日号)高齢者住宅新聞