「オランダ式訪看」開設・・・セントケアHD ビュートゾルフ参考に 現場に大幅な権限委譲

 セントケア・ホールディング(東京都中央区)は、新会社ちいき・ケア(同)を通じて、オランダの在宅ケア組織「ビュートゾルフ」のコンセプトを取り入れた新たなタイプの訪問看護ステーション「ビュートゾルフ練馬富士見台(仮称)」を今年12月東京都練馬区に開設する。

 「ビュートゾルフ」とは、看護師を中心とした上下関係のないフラットな自律型チームによる活動が特徴。利用者の自立を助けることを使命とし、本人のセルフケアや家族や地域の人などのインフォーマル・ネットワークとの協働、過剰サービス防止などに主眼を置いたケアを提供している。2007年に誕生し、現在はオランダ全土で約800チーム(約9000人)が活動。利用者は年間6万人にもなり、オランダの在宅ケアの6割以上を担っている。

 先月設立された、ちいき・ケアでは(1)1拠点の職員数は12人までとし、看護師中心の小規模なチームで自律的に運営(2)社長以外は本社スタッフにも階層が無く、各拠点に大幅な権限移譲を行う(3)雇用形態は全員正社員で週20時間から10時間単位で就業が可能、という仕組みを導入し、潜在看護師などからの人材の掘り起しに注力していく。
 なお、この新拠点で働く訪問看護師「ちいきナース」の募集も今月より開始している。

 12月の第1号拠点に続き、来年度は2ヵ所、再来年度は4ヵ所の開設を予定している。セントケアHDでは、この事業をグループの訪問看護事業の中核とすることを目指す。



(2015年9月9日号)高齢者住宅新聞