アドアーズ、日本介護福祉G藤田氏を提訴

 ゲームセンター運営などを手掛けるアドアーズ(東京都港区)は昨年12月17日、日本介護福祉グループ(同墨田区)藤田英明社長に対し、3億1000万円強の支払いを求める損害補償請求を行った。

両者の主張は全面的に対立

 アドアーズは一昨年11月、藤田氏が当時会長を務めていた日本介護福祉グループの全株式を取得し介護事業に参入した。しかし、わずか9ヵ月後の昨年8月、藤田氏に全株式を売却し、資本関係を解消させている。

 M&Aでは一般的なことだが、株を取得するにあたり、買い受け側は「財務や労務・法務など社の各種状況については、提出した各種書類の内容で間違いない」という表明保証を売主側より取り付ける。

 「当社も藤田氏より表明保証を取り付けましたが、その後、保証された内容とは異なる点が多数確認されました。そこで、藤田氏に再び株を売却するに当たっては『株式を売却しても、表明保証に相違する点があったことにより当社が被った損失などについては相殺されるものではない』という旨を譲渡契約書に定めていました。今回、藤田氏の保証表明違反に関する精査が終了いたしましたので、訴訟を提起することとなりました」とアドアーズはコメントする。

 一方、藤田氏は本紙の取材に対し「訴状はまだ届いていませんが、アドアーズから訴状と同様の内容と思われる内容証明郵便が届きました。提訴されたことは全くの青天の霹靂です。表明保証の内容に誤りはありません。また私が株を買い戻す際にも、アドアーズが主張するような点については一切説明がありませんでした。私の主張については、裁判の席でしっかり訴えていきたいと思います」とコメントしている。



(2016年1月6日号)高齢者住宅新聞