定期巡回併設サ付き 末期がん患者も受入れ 社会福祉法人賛育会

 今年で98年目を迎える社会福祉法人賛育会(東京都墨田区)は2月18日、同法人として初のサービス付き高齢者向け住宅となる「清風ヒルズ金井」(同町田市)の竣工式を開催した。訪問介護訪問看護のほか、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(以下・24時間サービス)を併設しており、病院からの受け皿としての役割も担う。

 3階建ての「清風ヒルズ金井」は、町田市として初めて東京都医療・介護連携型モデル事業に選定された。

 特徴は24時間サービスを併設することで、自立から要介護度5までと医療依存度の高い高齢者でも受け入れられる体制を整えている点。24時間サービスは町田市として2事業所目。総居室数43(うち2人部屋6室)のうちすでに31室が契約に至っており(2月18日現在)、入居者の半数以上が要介護状態。3人が末期のがん患者で、看取りまで行う。

 各居室にキッチン、浴室がある。外出時や帰宅時に壁に設置してある「在室ボタン」をオン・オフにしてもらうことで、見守りサービスも実施。1階には機械浴と大浴場が設けられている。大浴場は予約制で、13時〜20時まで利用可能。

 月額利用料は、1人部屋が家賃・共益費・基本サービス費込みで13万5000円、2人部屋が22万円。「厚生年金でも賄えるような値段設定にしている」(総務部・経営企画部 遠矢充宏課長)。食事はクックチルを活用し、普通食と3種類の介護食を用意。食費は朝食が350円、夕食が500円で、介護食はプラス20円で提供する。

 隣接する複合施設「清風園」では、地元商店などによる出張売店を定期的に開催。食料品や衣類などの買い物、出張理美容室、アロマテラピーなどのほか、ボランティアによる演奏会といった清風園で行われているイベントにも参加可能だ。

 「住み慣れた地域で暮らすためには24時間サービスが不可欠だと思った。地域住民のニーズに応えられるようなサービスを今後も展開していく」(清風園 吉田美香施設長)。



(2016年2月24日号)高齢者住宅新聞