桧家不動産、住宅型2棟目 用途分け5年で20棟目指す

 桧家ホールディングス(東京都千代田区)傘下の桧家不動産は9月16日、2棟目となる住宅型有料老人ホームを埼玉県久喜市に開設する。すでに予約が多く入り、開設時には満室スタートとなりそうだ。

 今回開設する住宅型有料老人ホーム「桧家リビング久喜 弐番館」は、JR線・東武伊勢崎線久喜駅から徒歩約15分。4月に開設した1棟目と同一敷地内に建築した。同社としては2棟目だが、開設にあたっては神奈川県下で12棟の有料老人ホームを運営するグループ会社、リビングケア研究所(横浜市)が協力した。 

 木造2階建ての14室、1階には1棟目同様にデイサービスを併設。日中はデイに看護師が常駐。敷地内には先行して昨年末に開設した訪問看護・介護、居宅介護支援事業所もあり、夜間帯は看護師がオンコールで対応する。経管栄養、胃ろう、人工肛門など医療行為が必要な入居者も受け入れる。訪問診療は2ヵ所のクリニックと提携。

 「女性入居者の割合が高くなることが予想されるため女性医師にも訪問してもらう(介護施設運営課 大森亘課長)」。入居者の平均要介護度は3程度を想定している。

 居室面積は一般的な有料老人ホームに比べて小さめの約8・3平米。3モーターベッド備え付けで、賃料2万円、食費4万2000円、管理費1万円、生活サービス費1万5000円の8万7000円からで、入居時費用はなし。低価格でありながら医療依存度が高く、また介護度の重い高齢者にも対応することから、「1棟目から入居待ちが多い(大森課長)」という。
 住宅メーカーが母体ということもあり、内外装も住まいを考慮したデザインとなっている。

計画的な展開で包括ケア目指す

 久喜市は桧家グループ創業の地。「桧家」の知名度も浸透しており、スタッフの採用にも多少のアドバンテージがあると思われる。

 現在、近隣で5棟目までの計画を進行中。同じモデルの有老を乱立させるのではなく、訪問介護・看護・リハなどの在宅ケアステーションをエリアの中心に置き、「自立支援型」「生活機能向上型」「医療対応型」「認知症対応型」「ターミナル受入型」を周辺に展開していく予定。

 今後5年で20棟を目指す。



(2016年9月7日号)高齢者住宅新聞