やまねメディカル、デイサービス事業譲渡 投資ファンドに44億円で

 やまねメディカル(東京都中央区)は4月1日、デイサービスのうち、サービス付き高齢者向け住宅に併設されていない59事業所の運営を、日本みらいキャピタル(同千代田区)が投資助言を行うNMC三号投資事業有限責任組合が設立したデイサービス事業承継会社へ分割譲渡することを発表した。譲渡額は44億円。

 同社では2002年の設立以来、「なごやか」のブランドで首都圏を中心にデイサービス事業を展開してきた。また2014年6月からはデイサービスを併設したサ付き住宅「なごやかレジデンス」の展開を加速させている。

 今後も、このサ付き住宅事業に注力していく考えで、来期の売上高は、サ付き住宅及びそれに併設するデイが、単独型デイを上回る見込みだ。

 しかし、サ付き住宅事業は日が浅いこともあり、入居者・利用者の確保や開設に要した初期コストの回収が思う様に進んでいない。このため、同社の2014年3月期決算は7700万円の、15年3月期決算は11億円強の赤字となっていた。

 こうした中で、今後は成長事業であるサ付き住宅事業に経営資源を集中することを目指し、単独型デイ事業の譲渡に至ったものだ。なお、同社が現在運営しているデイのうち、59が単独型で61がサ付き住宅併設型(サ付き住宅は62棟だが、1棟のみデイが併設されていない)。譲渡する事業の売上高は約46億円・営業総利益は約10億円。

 同社では「譲渡によって得た資金により、債務超過を解消するなど財務内容の改善を図るとともに、成長に必要な資金に充当し、2017年3月期でサ付き事業の黒字化達成を目指す」とコメントしている。

 譲渡は、やまねメディカルを分割会社、デイサービス事業承継会社を承継会社とする吸収分割方式を活用。譲渡日は6月1日を予定している。やまねメディカルの株式上場は維持される見通しだ。



(2016年4月13日号)高齢者住宅新聞