ALSOK ウイズネット買収  高齢者住宅事業強化

 綜合警備保障(以下・ALSOK/東京都港区)は、埼玉県を中心に介護事業を展開するウイズネット(さいたま市)の株式69・5%を5月6日付けで取得し、同社を子会社化する予定。取得額は非公表だが推計で17億〜18億円程度とみられる。

介護売上300億円規模に

ALSOKは近年、高齢者向けサービスの充実・強化を最重要課題と位置づけ、見守りや緊急通報など各種サービス・製品の開発・提供を行っている。

 介護サービスについてもその一環として、HCMやALSOKあんしんケアサポート(旧アズビルあんしんケアサポート)、あんていけあを買収するなど事業拡大を図っている。今回のウイズネット子会社化により、同社の介護事業は周辺事業も含め売上高300億円程度、利用者数は1万4000名程度へと拡大する見通しだ。

 ウイズネットは1990年設立。埼玉県及び神奈川県を中心に、有料老人ホーム、グループホームなどの高齢者住宅事業、在宅介護事業を幅広く展開している。高齢者住宅運営居室数は当社調べによると3467室(2015年8月末時点)で業界第19位。

 また、ローソンのフランチャイズに加盟し、コンビニエンスストア店舗と居宅介護支援事業所を併設させた「ケアローソン」を2店舗運営していることでも話題だ。

 今回の件についてALSOKでは「現在、介護事業は訪問介護を中心に首都圏南部・近畿・東海・東北で展開しているが、ウイズネット取得は地域・サービス種別でそれを補完するにとどまらず、事業規模・事業構成・事業展開エリアなどにおいて介護事業の新たな展開を期すもの」とコメントする。

 なお、今後ウイズネットの出資比率を引き上げる可能性については「ほかの株主との協議の上で検討したい」としている。ウイズネットを含め5社となる介護事業者の統合などについては「現在のところ検討していない」。

 また本紙独自取材によれば、ウイズネット高橋行憲社長は退任するとみられる。



(2016年4月13日号)高齢者住宅新聞