「特定施設」認知度4・6% 特定協、「介護付きホーム」提唱

団体名変更も視野に

 一般社団法人全国特定施設事業者協議会(特定協・東京都港区)は6月15日、2016年度総会を開催した。「特定施設」の知名度が低いことを受け、新たな名称として「介護付きホーム」を普及させることなどを盛り込んだ事業計画が承認された。

採用や融資など様々な問題が

 特定協が今年2月、インターネットを通じて一般消費者を対象に、高齢者住宅の種類についての認知度調査を行ったところ、特定施設の認知度はわずか4・6%であり、ほかの類型を大幅に下回る結果となった。

 「国会議員の中にも『特養』と『特定施設』の区別がついていない人が少なくない。名称や機能が正しく理解されていない介護保険サービスが、この先の介護報酬改定で守られるとは思えない」(特定協植村健志副代表理事)との考えから、特定協では特定施設の特徴や強みをわかりやすく表す用語として「介護付きホーム」を制定した。

 「特定施設の知名度が著しく低いことで、就活学生が特養に流れたり、金融機関からの融資が受けにくかったりと、様々な問題がおこる。また消費者が、介護サービスが十分に備わっていない高齢者住宅に入居してしまうことにもなりかねない。わかりやすい呼称が浸透することで、あらゆる立場の人たちにとってメリットが生じる」(植村副代表理事

 来月7日には、記者会見を行い消費者への「介護付きホーム」の浸透を図るほか、ケアマネジャーや高齢者住宅紹介事業者などに向け説明会も開催する。さらには2018年度までには、現在の法人名を変更することも検討する。

小規模事業者の年会費引き下げ

 この日の総会では、ほかに来年1月1日からの会費引き下げなどについても承認された。現在、会費は、法人が運営する特定施設の定員数により異なっている。定員数別に特定協への加入率を見た場合、100人以下の小規模事業者の加入率が3割を切っていることから小規模事業者の会費を引き下げ、入会促進を図る。具体的には31人以上50人以下が現行の3万円から2万円に、51人以上100人以下が7万円から5万円となる。



(2016年6月22日号)高齢者住宅新聞