グループホーム 3割赤字 人件費負担大きく

 独立行政法人福祉医療機構WAM・東京都港区)は7月29日、2013年度のグループホーム経営状況に関する調査結果を発表した。それによると、2012年度に比べ収益は増加したが、人件費の増加により減益となっている。また、赤字施設の割合も前年度より拡大し、全体の28%を占めている。

赤字施設の比率6ポイント増加

 調査対象となったのは、同機構の貸付先であり、開設1年以上を経過し、かつ社会福祉法人会計基準を採択している468施設。

 1施設当たりのサービス活動収益は6324万5000円で、2012年度に比べ109万4000円の増加。

 また、サービス活動費用は5906万4000円で213万9000円増加した。特に人件費が272万4000円増加している。この結果、増益額は418万1000円で、前年度比で104万4000円のマイナスとなった。

 赤字の施設は全体の28%で前年度の22%より増加した。赤字施設と黒字施設の比較では、黒字施設では入所定員平均が15・0人であったのに対し、赤字施設では12・9人となっている。

 また、入所者10人当たりの従事者数は黒字施設が8・73人であったのに対し、赤字施設では9・36人と多くなっており、人件費負担が多くなっていることがわかる。

1ユニット施設人件費率約72%

 1ユニット施設と2ユニット施設の比較では、1ユニットの従事者1人当たりの活動収益が485万円であるのに対し、2ユニットの従事者は519万6000円となっている。また、人件費率は1ユニット71・8%に対し2ユニットは67・2%となっている。

 このことからも2ユニットの施設は、規模の大きさを活かした効率的な人員配置が行えていることがわかる。

 今回の調査結果を受け、WAMでは「今後新たに開設する際は、多くの認知症高齢者を支える地域の受け皿になるためにも、規模の大きい2ユニットでの開設が推奨される」とコメントしている。



(2015年8月12日号)高齢者住宅新聞